トマトジュースを寝る前に飲むと効果的という話を耳にしたことがあるでしょうか。トマトジュースは健康に良いというのはご存じと思いますが、寝る前とはどういうことなのでしょうか。
そもそもジュースというくらいだから、いくら健康に良くても砂糖の成分で太るんじゃないのか。ジュースより普通のトマトの方がいいのでは、と疑問に思う方もいると思います。
現在、商品化されているトマトジュースは非常に種類が豊富でその特徴も様々です。糖分や塩分の有無、栄養素が多いなど、どの商品を飲むかで変わってきます。
トマトジュースは正しく摂取すれば非常に体に良いです。そこで、トマトジュースの飲むタイミングや効能、効果的な摂取方法など、健康や美容に役立つ情報をご紹介したいと思います。
寝る前のトマトジュースの効果

栄養ばっちりのトマトジュースですが、いつ飲むのかで効果の出やすさが違います。効果的なタイミングは、ずばり食前や就寝前です。
就寝前に飲むトマトジュース
トマトジュースには食物繊維や乳酸を分解する成分が含まれます。食物繊維は便秘に効果的であることは有名な話ですが、その理由としては食物繊維が腸の活動にプラスであることが理由です。
人間の体の仕組みとして、夜間は胃の活動が低下し、腸の活動が上昇します。そのため、整腸作用があるものなど腸に良い成分は夜間に摂ると、寝ている間に体に作用します。
また、人間は寝ている間に疲れを癒します。そのため、疲れが出るもとになる乳酸を分解する成分が含まれているトマトジュースを寝る前に飲むと効果的です。
更に、トマトジュースの成分は成長ホルモンと密接に関係しており、寝る前に飲むことで代謝を上げるため、ダイエット効果があります。
トマトジュースを飲むベストなタイミング
就寝前に飲むトマトジュースが効果的なことはご理解いただけたかと思います。では、寝る前であれば、何時間前でも直前でもいつでも良いのでしょうか。
実は必ずしも寝る前ならいつでも一定の効果が得られるかというと、そうでもないようです。そこでベストなタイミングをご紹介します。
寝る1〜2時間前がベスト
トマトジュースは成長ホルモンに大きく関与しています。トマトジュースのどんな成分が関与しているかは後ほど詳しく説明しますが、実はこの成長ホルモンがトマトジュースを飲むタイミングに関係しています。
成長ホルモンは入眠してから深い眠りに入った頃に分泌量が増えます。この成長ホルモンの分泌量がアップするのが大体入眠3時間経過してからと言われています。
そのため、このタイミングで成長ホルモンの分泌を促す成分が作用することがポイントとなるのです。また、入眠3時間経過してから、ということは3時間ではなく、4時間以上は睡眠をとるべきなのです。
分泌しだしたところで起床してしまうと、これから増えるというところで分泌が中断されてしまいます。なので、睡眠時間はきっちりと確保することが必要となります。
そして、入眠3時間頃にトマトジュースの成分が作用するには、体に吸収される時間も考慮して、大体寝る1〜2時間前が良いとされています。
ですので、トマトジュースを飲むベストなタイミングは寝る何時間も前や直前ではなく、1〜2時間前が効果的なのです。
ゴールデンタイムは嘘⁉︎
よく、夜の10時から深夜2時頃がゴールデンタイムと聞いたことがあるかと思います。少し前まで、成長ホルモンはこのゴールデンタイムに分泌されると言われていました。
そのため、美肌効果を期待する場合や身長を伸ばしたいのであれば、10時には就寝しておくことが望ましい、といわれていたのです。
しかし、この説は現在では否定されており、前述した入眠3時間経過した頃から成長ホルモンは分泌がアップするということが研究からわかってきたのです。
早寝早起きは良いことですし、夜更かししてもたくさん寝れば良いといっているわけではなく、成長ホルモンの作用を期待する場合は入眠3時間後がポイントになるということです。
トマトジュースの良い成分

トマトジュースには、健康や美容に良い成分がたくさん含まれています。実は普通に売られているトマトよりもトマトジュースにした方が効果がアップする成分もあります。
そんなトマトやトマトジュースに含まれている成分をご紹介していきたいと思います。自分の体にはどの成分が必要なのか、どんな効果が欲しいのかなど、是非参考にしてみてください。
リコピン
トマトに含まれている成分の代表ともいえるリコピンは、トマトの赤い色やニンジンのオレンジ色を出す色素成分カロテノイドの一種です。ニンジンのβカロテンもその一種です。
実はリコピンは生のトマトよりもトマトジュースやトマトケチャップの方が多く含まれています。そのリコピンの作用は以下のものがあります。
- 抗酸化作用
- 成長ホルモンの分泌量アップ
- 代謝をアップ
- 体脂肪の蓄積を抑制
トマトには強力な抗酸化作用があり、その作用はビタミンEの100倍と言われています。
抗酸化作用により、活性酸素が除去されることで、血液循環が良くなり、シミやくすみ、老化の予防、老化に伴う学習能力や記憶力の低下の遅延の効果があるのです。
また、リコピンは成長ホルモンの分泌に関与しており、成長ホルモンの分泌アップの作用があります。子供の成長以外にも新陳代謝を上げる作用もあり、大人にも重要なホルモンなのです。
リコピン自体にも代謝を上げる作用があり、脂肪細胞の前段階である前駆脂肪細胞が脂肪細胞へと分化するのを止める働きがあるため、体に脂肪が蓄積するのを防いでくれます。
このような作用により太りにくい身体になる手助けをしてくれます。
13-oxo-ODA
この成分について、初耳と思ったかもしれません。実は私も初めて知りました。リコピンと同じくこの成分も、生のトマトよりもトマトジュースの方が多く含まれています。
この成分は、腸内の温度をアップさせるため、エネルギー代謝の促進をすることで脂肪の燃焼効果があります。
腸の活動がアップする時間帯を考えると、やはり寝る前など夜間にトマトジュースを飲むのが効果的と言っていいでしょう。また、リコピンとの相乗効果で太りにくい体質に繋がります。
水溶性食物繊維
トマトには食物繊維が豊富なのは前述しましたが、特に水溶性の食物繊維が多い特徴があります。腸の活動を上昇させ、便自体を柔らかくする作用もあるので、便秘解消効果があります。
便通が良くなることは肌によく、ダイエットにもなりますので、リコピンや13-oxo-ODAなどの成分と合わせて飲めるトマトジュースはダイエットに効果的です。
カリウム
カリウムは利尿作用によりNaや老廃物の排泄、水分を体外に排出することにより浸透圧の調節を行います。
老廃物の排泄によりデトックス効果がありますし、水分が排泄されることにより余分な水分が減るのでむくみが解消され、むくみが原因の体重増加の解消にもなります。
また、Naの排泄や余分な水分の排泄は浸透圧の調節になりますので、血圧の上昇を抑える効果があります。血圧が高めの方や塩分が気になる方にトマトジュースはお勧めです。
GABA
アミノ酸の一つで、抑制性の神経伝達物質です。メラトニンの分泌に関与しており、血圧・脈拍・睡眠の調節の効果があります。
メラトニンは夜暗くなってから分泌が増え、血圧や脈拍を抑えたり、睡眠を促す作用があります。そのため、メラトニンの分泌に関与しているGABAを摂取することで、上記の効果が得られます。
メラトニンは夜分泌が増えるので、夜ぐっすり眠りたいなどあればGABAの含まれたトマトジュースを就寝前に飲むと効果的です。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成に関与しているため、美肌効果の作用があります。また、ビタミンCの一種であるアスコルビン酸は免疫を上げる効果があります。
そのため、風邪やインフルエンザの予防になりますし、体の疲れをいやす作用があります。
トマトジュースの効果的な飲み方
とても体に良いトマトジュースですが、夜に飲むと効果的ということが分かりました。そこで更に効果的にトマトジュースを摂取するために、効果的なの飲み方をご紹介します。
ホットトマトジュース
トマトは夏野菜であることもあって、トマトは身体を冷やす作用があります。温まった体が元の温度に戻るときに、人間は睡眠に入りやすくなります。
そのため、寝る前に体を温めることがベストです。お風呂に入って少しすると、すんなり睡眠に入れるのはこのためです。
ですので、入眠の1~2時間前を目安に体を温めると良いのですが、トマトジュースは体を冷やしてしまいます。そこで、体を温めるためにホットトマトジュースにすることが効果的です。
塩分・糖分無添加
塩分は浸透圧を変動させますので、体の塩分が多くなると薄めようと水分を取り込もうとします。それにより体にむくみが生じたり、血圧の上昇に繋がります。
トマト自体に塩分の排出作用があるため、神経質になる必要はありませんが、むくみでお悩みの方や血圧が高めの方は塩分の含まれていないトマトジュースを選ぶといいと思います。
また、糖分は肥満や糖尿病の原因となります。糖分を控えなければならない方がトマトジュースを飲む場合は糖分の入っていないものを選ぶといいです。
粘度の高いものを選ぶ
トマトジュースの食物繊維の量で粘度が決まります。粘度が高いほど食物繊維が多いトマトジュースということです。
食物繊維は整腸作用に加えて、血糖値の上昇を抑えることでインスリンの分泌を抑制する作用もあります。これにより脂肪細胞の肥大化を抑制します。
血糖値が気になる方やダイエットに関心のある方は、トマトジュースを選ぶときに商品の粘度を見て購入するのがお勧めです。
混ぜて効果アップ
先ほどホットトマトジュースにする方が安眠に良いという話をしましたが、スパイスを加えることも体を温めることに有用です。
例えば、タバスコやトウガラシなどはトマトに合うのでトマトジュースに入れても相性ばっちりです。
また、トマトジュースに含まれている成分によっては混ぜて飲むことでより効果がアップするものがあります。
飲む量に気を付ける
もちろんトマトジュースにもカロリーがありますし、飲みすぎると成分中のものをたくさん摂取することになります。
例えばカリウムは摂りすぎることでNa排出するため、浸透圧が変動します。摂りすぎはもちろんバランスが崩れますし、先ほど話しましたが塩分や糖分が含まれていれば食生活の乱れに繋がります。
出来れば、寝る前に一杯(150~200ml)ほどが適量かと思います。
リコピンの吸収をアップさせるもの
実はリコピンは脂溶性の物質です。脂肪や油系のものと一緒に摂るとリコピンの効果がアップします。そこでリコピンの吸収がアップするお勧めをご紹介します。
オリーブオイル

脂溶性の物質であるリコピンは、油に溶けるため油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。あまり入れすぎても油分の摂りすぎになってしまうので、適量にする必要があります。
コップ一杯に対して大さじ1/2くらい入れるのが丁度いいようです。
牛乳
牛乳にも脂質が多く含まれていますので、オリーブオイル同様一緒に摂取するとリコピンの吸収を高めると言われています。
ホットミルクとホットトマトジュースで、クリーミーなトマトスープのような味わいになりそうです。
ビタミンEを含有する食べ物
ビタミンには水溶性のものと脂溶性のものがあり、ビタミンEは脂溶性のビタミンとなります。リコピンと同じく脂質によく溶けるもの同士相性がいいようで、リコピンの吸収を上げます。
ビタミンEはひまわり油やべにばな油などの油脂類、アーモンドや大豆などの種豆類、青魚、マヨネーズ、キャビアやいくらなどの魚の卵に含まれています。
トマトジュースと一緒に少しアーモンドを砕いたものを入れる、もしくはトマトジュースを飲みながらアーモンドをつまんでみてもいいかもしれません。
就寝前以外でのトマトジュースもおすすめ!
トマトジュースは就寝前でないと効果かないというわけでは決してなく、栄養満点なので他の時間帯でも体に良いことには変わりありません。
例えば、トマトジュースは食物繊維が豊富で、食前に飲むことでお腹が満たされ食事量を抑えることができます。
加えて、炭水化物の吸収を遅らせる働きがあるため食事量をコントロールしなければならない方や、ダイエット中の方は食前に飲むことがお勧めです。
また、トマトジュースには塩分を排出する作用や血圧上昇を抑える作用、Na(ナトリウム)を排出する作用があり、高血圧や予備軍の方など血圧のコントロールが必要な方にお勧めです。
そして、胃酸の分泌を促進するという作用もあります。そのため、食前にトマトジュースを飲むことで消化の促進が期待できます。
このように、寝る前以外でもトマトジュースはとても身体に良い飲み物です。寝る前に飲む時間がなかったり、飲み忘れてしまった場合などは他の時間でもメリットは沢山あります。
まとめ

- トマトジュースは寝る1~2時間前が効果的
- トマトジュースはダイエット効果がある
- トマトジュースにはリコピンやGABAなど、寝る前に摂取すると効果的な成分が含まれている
- リコピンは成長ホルモンの分泌と関係している
- 生のトマトより、トマトジュースの方がリコピンやoxo-13-ODAが多い
- ホットトマトジュースがお勧め
- オリーブオイルや牛乳など脂系のものと摂取すると良い
トマトは野菜の中でも栄養満点なイメージがありますが、ジュースになることで一層健康に良くなり、しかも手軽で続けやすそうです。
私はトマトが苦手なのですが、健康のために寝る前トマトジュースを始めてトマトを克服してみようと思っています。
トマトジュースは上手に摂取することで、生活習慣病の予防にもなりますので、健康を気にかけている方はもちろん、健康に不安がある方も寝る前トマトジュースはいかがでしょうか。
コメントを残す