毎日仕事で疲れて帰宅していざ眠ろうとしたとき、なんだか考えごとが頭の中をぐるぐると駆けめぐり、なかなか寝つけないとき、どんなことを考えていますか?
実は、寝る前に考えるといいこと、悪いことが睡眠の質に関係しているのです。
身体は疲れているのに、頭の中は元気に活動しているような不思議な感覚。
「明日も仕事があるから早く寝たいのに」と焦れば焦るほど眠れません。とてもお辛いですよね。
今回は寝る前に考えるといいこと、悪いことに加え、寝つきをよくして良質な睡眠を得るコツについてもご紹介していきますね。
寝る前に考えるといいこと

寝る前に考えるといいとされているのは、ポジティブなことです。
今日うまくいった仕事内容や、上司に褒められたこと。美味しかった食事やスイーツ。
楽しかった友人や家族、恋人との懐かしい思い出など、おもわず顔がほころぶようなことを思い浮かべます。
記憶だけではなく、今後楽しみにしている予定でもいいですね。
注意すべきは、あまり具体的に考えないことです。わくわくしすぎてしまうと、小学校の遠足前日に眠れなくなってしまったあの日のように、寝つくことが難しくなります。
ぼんやりと思い浮かべて、うっすら口角が上がる感覚があれば大成功です。ゆっくりと深呼吸して身体をリラックスさせ、入眠を待ちましょう。
寝る前に考えると悪いこと

寝る前に考えると悪いとされていることは、ネガティブなことです。
今日の反省点や、叱られたこと。モヤッとした先輩や同僚の言動。恥ずかしい思いをしたあの出来事…。
ついさっきまでは忘れていたはずなのに、寝る前になると嫌なことを思い出してしまう。
毎晩なかなか眠れず悩んでいる方は、実はとても多いのです。
寝る前に悪いことを考えすぎると、その思考そのものが新たなストレスの原因となってしまいます。
なぜ寝る前に考えてしまうの?
寝る前に嫌なことを考えてしまう方は、脳のキャパシティーがオーバーしている可能性があります。
「あのとき、こうしたらよかった」「あっちにすればよかったんじゃないか」と、頭の中でたられば合戦を繰り広げていませんか?
私たちが昼間に活動しているときには、大半の不安や嫌なことは潜在意識の中に隠れています。
しかし、寝る前になると不意に無意識下にあった記憶や思いが、意識の中に現れるのです。特に不規則な生活をしている方によく見られます。
残念ながら、人間は自分の意識を自在にコントロールできません。それは、人間持つ脳の仕組みに関係があります。
寝る前の脳の仕組み
まず、睡眠には大きく2つの役割があります。
- 身体や脳を休ませ、疲労を回復させる
- 日中にたまった情報を整理して、脳に固定させる
寝る前に悪いことを考えてしまうのは、2つめの役割が原因です。
寝る前にあなたの脳が、日中の出来事を整理させるために、潜在意識下の情報まで引き出してしまうのです。
せっかく嫌な記憶を潜在意識下へ追いやって忘れていたというのに、まったく迷惑な話ですね。
しかし、ちょっと厄介なこの脳のクセ。上手に利用することで、睡眠の質を向上させられるのです。
良質な睡眠を得るコツ

寝る前、あなたは何をして過ごしているでしょうか。
スマホでSNSのチェックしたり、撮りためたドラマやYouTubeを見たりして、のんびりとつかの間の自由なひとときを過ごしている方も多いかもしれませんね。
実は、寝る前の習慣をほんの少し変えるだけで、寝つきの悪さと寝不足の怠さからあなたを解放してくれます。
寝る前には、心身ともにリラックスした状態になることが重要です。どんな方法があるか見ていきましょう。
不安や考えごとは書き出す
不安なこと、悩みごとを含めその日に起こったことは、その日のうちに吐き出してしまいましょう。
寝る前に日記をつけるのがおすすめです。日記と呼べるほどきちんとしたものではなく、メモのようなものでもじゅうぶんな効果が得られます。
世はデジタル時代ですが、アナログでアウトプットすることで考えもよりまとまります。
いざ寝ようと目を閉じたときに、考えごとが次から次へと出てくるときは、脳の整理が追いついていない証拠です。
つまり、脳は寝る準備に手間取っている状態となのです。
脳はあなたを休ませるために、その日1日の情報を整理すべく必死に働きます。しかし脳が働いている限り、あなたは眠ることができません。
寝る前に1日の出来事を書き出すことで、脳は事前に情報処理をおこなえます。
それに出来事を記録しておくことで、今後同じような事態が起きたときに備えることもできますね。
布団に入る前に、嫌なことは書き出しておきましょう。
寝る前に五感を癒す
心身をリラックスさせるには、五感を満たしてあげましょう。いずれもポジティブな気持ちになれることが前提です。
ぜひ参考にして役立ててくださいね。
視覚
目で見て楽しむものとしては、写真がよいでしょう。友人や家族、恋人との思い出はもちろん、きれいな空や景色などもおすすめです。
しかし、スマホで写真を見るとブルーライトを浴びることで脳のメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が減少し、眠れない原因にもなるので注意しましょう。
おすすめは、写真をおしゃれなデザインのアルバムにしたためることです。満足のいくアルバムの仕上がりと、思い出の写真に気分が上がります。
聴覚
耳を癒すためには、ゆったりとした音楽を聴きましょう。
ただ、アップテンポの曲は、休む前の脳には刺激を与えてしまいます。寝る前にはオルゴールやピアノなどがおすすめです。
あなた好みの、心地よくリラックスできる曲を探してみましょう。
嗅覚
香りを楽しむことも、寝る前にはいいことです。お気に入りのアロマに包まれて過ごすと、疲れが癒されていきますよね。
ハーブ系であればラベンダーがおすすめ。ラベンダーには、心を静めてセロトニン(幸せホルモン)の分泌を手助けする効果があります。
アロマオイルをお風呂に入れたり、ルームフレグランスとして使うことで癒しのひとときを過ごせます。
触覚
触れることで癒されるものといえば、やはり動物です。ペットがいれば、そのぬくもりで癒してもらいましょう。
もしペットがいなくても大丈夫。さわり心地の良いクッションやぬいぐるみをぎゅっと抱しめるだけでも、十分な癒し効果があります。
おしゃれな雑貨屋さんやホームセンターで探してみてはいかがでしょう?
味覚
寝る前に口にするのは、ハーブティーがおすすめです。なかでもカモミールティーは、不安や緊張をほぐしてくれる効果が期待できます。
また、少量であれば甘いものを食べても大丈夫です。甘いものは食べたあとにリラックス効果が発揮されます。
寝る前に甘いものを食べるのであれば、はちみつがおすすめです。ティースプーンで1杯程度飲むことで女性には嬉しい美肌効果もあります。
甘いものをおすすめしましたが、ダイエットに励む方の免罪符になってしまっては大変です。あくまでも寝る前の甘いものはほどほどに。
適度に身体を動かす
寝る前に軽く運動することも、質のよい睡眠には効果的です。入浴後、体が温まった状態のまま10分ほどストレッチをしてみましょう。
凝り固まった首肩、背中や脚を一ヶ所ずつゆっくりと伸ばして、1日頑張った身体をほぐします。
ストレッチの際に深呼吸をおこなうことで、リラックス効果を得られます。
まとめ

それでは、ここまでお話したことをまとめてみましょう。
- 寝る前に考えるといいことは、ポジティブなこと
- 寝る前に考えると悪いことはネガティブなこと
- 寝る前の習慣を変えて心身をリラックスさせる
良質な睡眠を得るには、ポジティブでリラックスした状態になって布団に入ることが大切です。
心を軽くしてよく眠り、すっきりとした朝を迎えましょう。