「初日の出」と「ご来光」の違いは?由来と使い方をわかりやすく解説

あなたは「初日の出」は毎年拝みに行かれますか?

「初日の出を見に行ってきたの」や「ご来光を拝んできた」などとお正月を過ぎると、私もそんな話題を周囲から耳にします。

実は「初日の出」と「ご来光」は日の出と言うことでは同じなのですが、意味は違うものなんです。

知っているようで知らなかったこれらの言葉を探っていきましょう。

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「初日の出」は1月1日の「日の出」のこと

1月1日(元日)の日の出のことを「初日の出」といいます。

日の出というのはいわゆる「太陽が地平線や水平線から姿を現す様子」のことで、元日の早朝にこれを目的として出かける人も近年増えてきていると思います。

日本では1年に1度の最初の夜明けで、『めでたい』とされているからでしょうか。

私もここ数年近場ではありますが、初日の出を拝みに行っています。とても冷えますが、日の出をじっくり見る機会はそうありませんので楽しんでいます。

ちなみに初日の出という言葉は元日の日の出限定ですので、「新年の季語」とれされます。

初日の出はいつからあるもの?

初日の出を習慣とするようになったのはいつからなのでしょうか。

江戸時代、江戸では初日の出参りは盛んに行われており、芝高輪(しばたかなわ)の愛宕山(あたごやま)や神田湯島(かんだゆしま)が二大名所となっていたようです。

また、全国的に初日の出参りが行われたのは明治時代以降のことなのだとか。

今のように公共交通機関なども発展していない時代から「初日の出」を拝みに行くことを習慣にしていたのには驚きますね。

初日の出参りはどこからきたの?

『四方拝(しほうはい)』という天皇が元旦に行う儀式から始まり、それが庶民に広がって習慣になったと言われています。

四方拝とは・・・元旦の早朝、宮中で天皇が天地四方の神祇(じんぎ:祭壇のこと)、を拝することです。

始まりとしては、嵯峨天皇の治世(9世紀初め)に宮中で始まったとされ、定着したのが宇多天皇(9世紀末)のようです。

平安時代から今でも時間や式次第はかわっているにしても、このような儀式が続いているとは驚きです。

「ご来光」とは高い山から望む日の出のこと

高山から望む日の出のことを「ご来光」といいます。

もうお気付きの方はいるかと思いますが、元日でなくても高い山から見る日の出は「ご来光」です。

では、富士山頂で元日に見る日の出は何と呼べばいいのでしょうか?

それは「初日の出」であり、「ご来光」でもあります。どちらも正解です。

「ご来光」は夏(晩夏)の季語として使用されます。

知って得する!?ご来光と初日の出の信仰の違いとは

ご来光と初日の出の意味の違いが出てきましたが、これは信仰の違いによるものからきているようです。

ご来光は、仏教信仰が由来で、お釈迦様(仏様)が光を背負ってこちらにやってくるという表現から来た言葉です。

初日の出は豊作の守り神である年神が初日の出と共に降臨すると信じられたことから拝むようになり、信仰の対象は神道とされています。

「拝む」とは手を合わせる?

私は初日の出を拝んでいるとき、自然と手を合わせたくなります。

「拝む」という言葉を調べてみるとこんな感じです。

  1. 敬って礼をする。手のひらを合わせて礼をする。
  2. 「見る」をへりくだって言う語。(大事なものなどを)拝見・拝観する。

手を合わせずとも「拝む」と言う表現は使えるようです。

そもそも仏教では「合掌」をします。神社などでは「かしわ手」を打ちます。

宗教によって、「手を合わせる」方法は様々ではありますが、初日の出やご来光を見たときに自然と手を合わせることは不正解ではないようですね。

元日の日の出は日本の中でどこが一番早いの?

11月頃になると、国立天文台の相談室には「一番早い日の出はどこか?」という質問が旅行代理店などから多数寄せられるそうです。

50~60ヶ所の初日の出スポットの時刻リストを作成し、天文台側もこたえているとのこと。

せっかく初日の出を拝むなら誰よりも先に見たいと思うのかもしれませんね。

私は「遠すぎず、混みすぎず、景色のいい場所で」をモットーに場所を選んでいます。

それぞれの一番早い初日の出はこちら(時間は目安です)

  • 南鳥島:日本の領土でもっとも早い初日の出を見ることができるが、定住している人はいない。(5:27頃)
  • 母島:定住している人がいる日本の領土では最も早いが、近隣の島の定住状況によって若干異なる可能性有。(6:20頃)
  • 富士山頂:日本本土4島で最も早い初日の出。(6:46頃)
  • 犬吠埼:日本本土4島の平地で最も早い初日の出。(6:46頃)

※ちなみに日本で一番遅い初日の出は、与那国島で7:32頃となります。

初日の出参りを観光スポットで?!

近年、初日の出を見る時間帯に営業している観光スポットが増えました。

東京だけでも、東京タワーやスカイツリーなど展望台で元日の日の出を拝むことができたり、そのための宿泊プランも多様化しているようです。

日本気象協会からも全国各地の初日の出スポットと日の出予想時刻などが掲載されています。

予約せずに行ってもいい場所もありますが、基本的に予約が必要と考えたほうがよいので、来年の初日の出は正月旅行兼ねて計画してみるのもいいかもしれません。

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まとめ

  • 初日の出は元日の日の出だけを意味する。
  • ご来光は高山から見る日の出のことで、1年中使っていい言葉である。
  • 初日の出参りは日本古来から天皇の儀式から伝わったもの。
  • 近年各地で年越しイベントと合わせて初日の出を見ることが出来る。

年末忙しく働いた方には寝正月というのもいいかもしれませんが、「一年の計は元旦にあり」とも言います。

正月はとても冷えますから、寒い中太陽が昇ってきたときの温かさというのはなんとも言えないありがたみを私は感じました。

日の出を待つために作った時間はきっと無駄にはならないと思います。

いつもと違った「一年の始まり」をしてみるのもいいのではないでしょうか。

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