旧暦と新暦の違いは?なぜ暦のずれ方も違うの?わかりやすく解説します

暦について考えたとき、今の暦があるのに、なぜ旧暦の日付で行われる行事があるのだろうと疑問に思うことがありませんか。

また、旧暦の日付で書かれている部分は、現在の暦とずれているので、なじみにくく違和感を感じてしまいます。

どうして暦はこんなにややこしいことになっているのでしょうか。そこで、旧暦と新暦の違いや季節のずれを分かりやすく解説していこうと思います。

これを読み終わる頃には、暦について抱いていた疑問がすっきり解決し、今までと違った目で行事を見ることができ、そこに面白いと思える新しい発見があるかもしれませんよ。

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旧暦と新暦って何?

旧暦は、今でも行事などで用いられるほど、日本人の生活に深く浸透していたのに、なぜ新暦を使うようになったのか、とても不思議です。そんな疑問を紐解くために、まずは旧暦と新暦は何なのかを見てみましょう

旧暦と新暦の暦の調整

旧暦の周期も、新暦の周期もきっちりと割り切れる数字ではないので何年もたつと、暦と季節がずれてきます。そこで調整が必要になってきます。そのあたりを詳しく説明します。

旧暦

太陰太陽暦とよばれ、一か月を天体の月が満ち欠けする周期に合わせます。

月の満ち欠けの周期は29.5日なのでひと月が29日と30日の日を作って調整します。

季節は地球が太陽の周りをまわる周期によって移り変わるので、この二つの周期が一年間で回る日数を考えると、月は354日、太陽は365日で11日の誤差が生じます。

そのため季節もだんだんと合わなくなってしまいます。

そこで、2から3年に一度、閏月(うるうづき)を設けて13か月ある月を作り、暦と季節を調整していました。

新暦

太陽の運行を元にした太陽暦です。地球が太陽を一周する周期を一年とします。

地球が太陽の周りを一周するのは、365.24219日なので、1年間を365日とし、4年に一度、閏年(うるうどし)を設けて1日増やし366日にして調整しています。

なぜ新暦が使われるようになったの?

新暦が使われるようになったのはなぜなのでしょうか?そこには2つの大きな理由がありました。

  • 歴史的理由・・・明治維新後、海外との交流が盛んになり、世界基準で使われていた太陽暦に合わせる必要があったこと。
  • 経済的理由・・・明治になって、官僚に給料を払うようになったのですが、旧暦では閏月の年、一か月多く給料を払わなければいけないから。

日本が、世界と交わり、通じるように成長していくに為には、新暦に変えることが必要だったのですね。

旧暦と新暦の季節はなぜずれる?

カレンダーを見ると、旧暦の示す季節と新暦示す季節。明らかにずれています。なぜ、ずれが生じるのでしょうか?それを知るには、まず季節のことについて見ていきましょう。

季節とは

季節を考える上で外せないのが、二十四節気です。旧暦の閏月を設ける基準となるものです。

二十四節気とは、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれ6つに分けたもので、節気(節)、中気(中)が交互にあります。

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旧暦では、中気のない月を閏月としていました。

二十四節気を表にまとめたものがあります。

 
季節 二十四節気名 新暦の日付
立春(りっしゅん) 1月節 2月4日頃
雨水(うすい) 1月中 2月19日頃
啓蟄(けいちつ) 2月節 3月5日頃
春分(しゅんぶん) 2月中 3月21日頃
清明(せいめい) 3月節 4月5日頃
穀雨(こくう) 3月中 4月20日頃
立夏(りっか) 4月節 5月5日頃
小満(しょうまん) 4月中 5月21日頃
芒種(ぼうしゅ) 5月節 6月6日頃
夏至(げし) 5月中 6月21日頃
小暑(しょうしょ) 6月節 7月7日頃
大暑(たいしょ) 6月中 7月23日頃
立秋(りっしゅう) 7月節 8月8日頃
処暑(しょしょ) 7月中 8月23日頃
白露(はくろ) 8月節 9月8日頃
秋分(しゅうぶん) 8月中 9月23日頃
寒露(かんろ) 9月節 10月8日頃
霜降(そうこう) 9月中 10月24日頃
立冬(りっとう) 10月節 11月7日頃
小雪(しょうせつ) 10月中 11月22日頃
大雪(たいせつ) 11月節 12月7日頃
冬至(とうじ) 11月中 12月21日頃
小寒(しょうかん) 12月節 1月5日頃
大寒(だいかん) 12月中 1月21日頃

引用 国立国会図書館https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s7.html

二十四節気から分かるように、旧暦の季節は、春は1から3月、夏は4から6月、秋は7から9月、冬は10から12月としています。

一方、新暦の季節は、太陽の周期に合わせて、春は3から5月、夏は6から8月、秋は9から11月、冬は12から2月としていて、私たちが体感する季節に、かなり近いです。

こうして、二つの季節を見比べてみると、1、2か月の差があることが分かります。この為、どうしても季節感にずれが生じてしまうのです。

旧暦の行事が残っているのはなぜ?

季節を見たとき、私たちの体感に近く、なじみやすいのは新暦のような気がしますが、なぜ今でも旧暦で行われる行事があったりするのでしょうか?それには、旧暦の雑節と呼ばれる、季節の変わり目の目安となる行事が関係しているようです。

雑節を表にまとめたものがこれです。

 

 
雑節 解説
社日(しゃにち) 春分、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日で、1年に2回ある。春には豊年を祈り、秋には成熟を祝う行事をそれぞれ行う。
節分(せつぶん) 元は四季にあったが、後に春だけについていわれるようになった。立春の前日のことで、邪気を払う行事がなされる。
彼岸(ひがん) 春分と秋分の前後の3日ずつの計7日のこと。初日を彼岸の入り、当日を中日(ちゅうにち)、終日を明けと呼ぶ。
土用(どよう) 立春、立夏、立秋、立冬の前18日間。この期間は、土公神(どくじん)が支配するといわれ、土を犯すことは忌むべきこととされた。
八十八夜(はちじゅうはちや) 立春から数えて88日目をいい、種まきの目安の日。
入梅(にゅうばい) 二十四節気のうち、芒種の後の壬(みずのえ)の日。梅雨はそれから31日間とされる。
半夏生(はんげしょう) 天より毒気を下す日という。夏至より10日後とされる。
二百十日(にひゃくとおか) 立春から数えて210日目の日。必ず暴風雨があるとされる。
二百ニ十日(にひゃくはつか) 立春から数えて220日目の日。二百十日と同じ意味を持つ。

引用 国立国会図書館https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s7.html

表を見ると、行事の中では節分や土用など、今でもなじみのある行事がみられます。旧暦では、季節の節目にこのような行事を行うことで、季節を感じ、大切にしてきたので、名残りとして今にも受け継がれているのです。

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まとめ

旧暦と新暦は、季節を定める月が違うため、季節に1.2か月のずれが生じ、旧暦の季節が、私たちが体感する季節とずれているので、違和感があります。

でも、節分や土用など、今でも根強く行われている行事をみると、旧暦が日本人の生活に深く浸透していたことがわかります。

私も、暦については、カレンダーに書かれてあるのを何となく見るくらいでしたが、知って見てみると、なるほどと思えることがたくさんあり、面白いなと思います。

あなたも暦について知ってみると、面白いと思えたり、ちょっと人に話せる雑学になるかもしれませんよ。

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